前橋生まれの期待の若手版画家、木村真由美による地元初の新作による個展を開催いたます。木村の作品は、版画技法の一つであるスクリーンプリント(別名シルクスクリーン)を厚手の和紙上に何度も摺り重ねる制作方法を取り、版画にある「薄い」とか「軽い」というイメージが払拭されるような、油絵のように重厚で奥行きのある抽象画の世界を表現しています。描かれるものは、現存しない任意の対象(木村が創り出した同じ形象)を繰り返し、色彩とタイトルのみが、見る者に作者が試み表出しようとする、その本質的なイメージとして形象しています。
また、版画という手法を取りながら複数制作をせず、1点のみの制作であることも版画にある複数という概念に囚われない技法としての興味と意思を見ることが出来るように思われます。
これまで、国内外の交流展やコンクールに積極的に参加発表し、その実力を磨いています。スクリーンプリントによって塗り込められた色とりどりの作品はとても美しく、不思議な魅力を持っています。
そんな新作による大小作品約20点をご高覧頂きます。
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