この度、かねてより開催実現を熱望しておりました、山本豊子による個展を開催致します。
山本豊子は1995年から精力的に平面・立体作品の制作を続けてきました。
銅版画を中心とする平面作品に紙を版とするコラグラフ(紙版画)が加ったことで、より制作時の躍動感と質感が伝わる作品へと変化をとげていきました。
1999年舞台美術制作時に出会った枕木を素材とした作品では、コラグラフの版を枕木に埋め込んだり、枕木の椅子や机の制作をするなど版画と立体を融合させた作品へと展開します。
2001年から始まる『運搬』をテーマとした作品では、映像や音響・パフォーマンスを空間に取り入れる試みを映像作家や音楽家と共同で制作し、アニメーションも手がけるようになります。
平面・映像・音響・パフォーマンスが融合したインスタレーションでは、展示空間から時間軸と物質性をより強く感じることができます。
山本豊子にとって展示空間は仮設された『舞台美術』であり、空間を訪れた来客者たちを『物語』の時空へと巻き込んでいきます。
画廊翠巒主 梅津宏規 |