- 2008年企画展 -
10:30AM-7:00PM
(火曜休廊)

<私式的表現の可能性―2008年画廊企画PART9>

牛嶋直子・展

- 彼方の風景 -

2008年11月22日[土] ― 30[日](火曜休廊)
AM10:30―PM7:00

暗い闇の中にふわふわと現れては消えるホタルの光や夜の空に輝く星空を見つめる時、記憶や思い出の想起とは異なる次元で、どこか感情を揺さぶるような心の本能が湧き出でる思いをすることがある。 牛嶋直子の作品を見たときの感情は、それにとてもよく似ているような気がする。
パネルに炭酸カルシウムで下地をつくり繊細な表面を求め紙ヤスリをかける。そして樹脂で溶いた顔料(岩絵具)をコンプレッサーで吹きつけ無光沢で均一な、吸い込まれるような視覚的奥行きを色彩とマチエールの中に生み出てゆく。 まるでこれまで貯めてきた何かを解き放とうとする閉塞されたエネルギーが表出先を探すかのようだ。 

現代アートや近代日本画といった公式的又は様式的なアート表現とは異なる別の次元を探しているのだろうか。

今回の個展に彼女は 「−彼方の風景−」というタイトルをつけ以下のような文章をよせた。

― 彼方の風景 ―
記憶の片隅にあるおぼろげなイメージ
そこにはいつも不思議な静けさが漂っている
現実のような虚構のような、やさしいような不気味なような

ひっそり佇む光の集積 遠くできらめくジェット機
誰もいない交差点 平和で無機質なまち

それは日常のふとした瞬間にあらわれ、やがて消えてしまう
わたしにかすかな感覚を喚起して
懐かしさ、憧れ、癒し、そして少しのざわめき

そんな風景を描いている
USHIJIMA Naoko
1979群馬県前橋生まれ
1997群馬県立前橋女子高等学校卒業
2004女子美術大学絵画学科日本画専攻卒業
加藤成之記念賞受賞
2008女子美術大学大学院美術研究科日本画研究領域修了
[個展]
2002ART LABORATRY R3(高崎)
2006銀座Galleryフォレスト(東京)
2008「−彼方の風景−」画廊翠巒(前橋)
[グループ展]
2003小津和紙ギャラリー(東京)
2004「はな花・展」 画廊翠巒(前橋)