- 2008年企画展 -
10:30AM-7:00PM
(火曜休廊)

<有機的な美しさを求めて−2008年画廊企画PART10>

澤田志功・展

太陰(つき)の森

2008年12月6日[土]―14日[日]
AM10:30-PM7:00(火曜休廊)

これまで多くの芸術家が創作テーマとして取り上げてきた「生と死」の問題を澤田志功もその根源的なテーマとして取り上げてきました。 自身が「宮沢賢治や文学性に興味がある」というようにその作風にはこれまで、ある種独特の物語性をが強く感じることが出来きます。さらに近年では、地球が繰り返してきた生命の進化に見られる、単なる同じ生命の死から生への繰り返しではなく、新たな形に変貌進化していくような「ミューテーション」的な、新たな再生の象徴として造形をイメージさせる作品を多く試みています。例えば顔が複数ある「Lunatic Plant」という作品は、異質なものへと進化を遂げたものというイメージで制作されています。また、タイトルの多くに「Luna」または「moon」「月」という言葉を使用し、月に見立てながら植物のカタチに置き換え、直接的な生命の形態を表現すなどの試みがされています。
※ミューテーション:突然変異とか生物の遺伝形質が親の形質と異なって現れること。

本展に際し、以下のようなタイトルを添え、作家自身が文章を寄せています。

以前より、動物や鳥などをモチーフに、塑像や木彫といった手段で、ある種のシュールさを取り入れながら制作してまいりました。

そのつど、様々なテーマ性を盛り込んでは発表してきたつもりではありますが、一貫してコンセプトの基盤にあるものは、自然律の中の本質、必然性というか、そういった部分を求めることで「生命の在り方」「有機的な美しさ」をどこまで模索できるか考えて生きたいと思っています。

澤田志功

澤田志功 略歴
1965年 東京に生まれる
1988年 東京芸術大学美術学部彫刻科卒業
1990年 東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了
1998年 「第7回現代具象彫刻展」優秀賞受賞(千葉)
1999年 「第14回富獄ビエンナーレ」佳作受賞(東京)
2000年 「第35回昭和会展」日動美術財団賞受賞(東京)
2006年 「大分アジア彫刻展」大賞受賞
現 在 文化女子大学造形学部准教授
個 展
1991年 「RHAPSODY」ギャラリー219(東京)
1995年 「LUNAX - 月光密造者達 -」 ギャラリーなつか(東京)
2000年 「書庫に眠る天球儀」 ギャラリーイセヨシ(東京)
2003年 「呼吸する太陰」 ギャラリーオカベ(東京)
2006年 ギャラリーアートもりもと(東京) 天王洲セントラルタワーホール(東京)
2008年 「black note」日本橋高島屋 美術画廊X(東京)
グループ展・公募展他
1988年 4人展「See Si 視移」 芸大学生会館
1992年 「ディスカバーアート イン ミクニ」来場者賞受賞(東京)
「アガサクリスティー作ホロー莊の殺人 舞台美術小道具制作」サンシャイン劇場(東京)
1993年 「コンテンポラリークラシックス'93舞台美術小道具制作」歌舞練場(京都)
「第57回新制作協会展」(以降94年、‘96〜'03まで)東京都美術館(東京)
文化女子大教員作品展出品(以降毎年)
1995年 「埼玉県美術展」知事賞受賞・埼玉県立美術館
1998年 「イセヨシアニュアル‘99」ギャラリーイセヨシ(東京)
1999年 「第36回昭和会展」招待出品・日動画廊(東京)
2001年 企画4人展「Site-彫刻家達」ギャラリーアートもりもと(以降'04まで毎年)
群馬県アートコンペ(指名参加)立体設置
「現代彫刻の表現展」画廊翠巒(群馬)〜‘05
2004年 第17回富獄ビエンナーレ展
2005年 「転生する立体展」日本橋三越(東京)
「アートフェア東京2005」 東京国際フォーラム(東京)(同'07・‘08)
主な収蔵先
  千葉県立美術館/笠間日動美術館/群馬県庁/東京オペラシティー