本個展でも変ることなく木村真由美が表出させるシルクスクリーンの多重多色摺りによる画面には、同じ大きさの丸が、ある一定の間隔で連続して並ぶ。大きさや支持体としての四角い形、色彩は違っていても、この反復はここ数年間ずっと繰り返されていることは以前の個展の際にも記したが、今回はいささか様子が異なる。 近年作品タイトルに見られてきた散文詩的な感覚が、タイトルだけにとどまることなく、作品全体の構成にまで及んできたようだ。 まず空を想像させる淡い青色の画面と、その画面上に表出する雲を連想させる造形が不規則に描かれ、様々なサイズで制作された作品が、画廊の壁面にインスタレーションされる。 作品のタイトルはすべて「見えているのに見えないもの」そこに「す・る・ふ・よ・れ・さ・か・お・ゆ・ち・け」と分類されるようにタイトルを修飾する。 画廊の空間を取り込みながら作品を通して訴える「見えているのに見えないもの」とはいったい何なのか。是非その答えを、作品を通して探し出していただけたらと思う。 |
画廊主 |
「す」 シルクスクリーン・和紙・鉄粉 60.6×60.6cm 2012 |
「ふ」 シルクスクリーン・和紙・鉄粉 60.6×72.7cm 2012 |
「か」 シルクスクリーン・和紙・鉄粉 53×80.3cm 2012 |
「ち」 シルクスクリーン・和紙・鉄粉 45.5×38cm 2012 |
「け」 シルクスクリーン・和紙・鉄粉 60.6×60.6cm 2012 |
木村 真由美 KIMURA MAYUMI >プロフィール >DM(PDF) |