決して混じり得ることのない自己と他者を写真におさめ それぞれの写真を刻み 縦糸と横糸にして編み込むことで 一致させようとする作品をつくる櫻井裕子 しかしその作品の端は 平面を維持できずほつれ崩壊し、無機的であった写真を有機的な別の姿に変化させる |
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ある閉塞的な場所を覗き込んだようであったり 漠然とした広がりであったり 場や空間を湿度のある黒一色によって表現する東条香澄 リトグラフという版を介在させることによって 閉塞的な場も個人的なものにとどまらず一定の距離感の中で浮遊する |
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対象を写真におさめ 印画紙に焼き付けた後 その上にエッチングを重ねるという手法によって 現実と非現実 2次元と3次元の関係が 同一画面上で混じり合う作品をつくっている山田純嗣 近年は過去の名画を対象としたシリーズを制作し さらに絵画とは何かを問いかける |
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彼らの制作には版という概念や 対象からの距離がキーワードになっているが その枠にとどまることがなく また他の既成のジャンルにも収まることがなく溢れ出している 何ものでもないまだ名付けられていないそれらの作品の前に立ったとき 作品が訴える純粋な核が見えてくるのではないだろうか |
櫻井裕子 SAKURAI Hiroko |
「Untitled」 2009 2000×1500mm ラムダプリント 編み |
東条香澄 TOJO Kasumi |
「夜の内側」 2012 670×670mm 紙、インク、リトグラフ |
「影」 2012 600×820mm 紙、インク、リトグラフ |
「space」 2012 900×670mm 紙、インク、リトグラフ |
山田純嗣 AMDA Junji |
(11-6) GARDEN OF EARTHLY DELIGHTS」 |
(11-6) GARDEN OF EARTHLY DELIGHTS」
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