子供のころ セメダインを指や肌に塗り 乾いたそれを上手にはがし取ると そこに肌の模様が転写され わくわくした記憶がある 乾いたセメダインが気持ちいいように剥がれる その感覚がとても楽しかったと同時に 肌の模様がセメダインという別の物質に転写されることで 自分自身が肌模様と共に異なる存在になって 移動し生まれ変わるような錯覚が面白かった ということもあるかもしれない 阿部大介のこの作品プロセスの序奏は これにとても似ている気がする 対象に発砲バインダーを塗り、その物質の凹凸を転写させ 剥がしとる 対象を彩色することでその対象が再現されつつも その再生の形成方法によってまた 新たな立体として その存在を別次元の存在が誕生する 果たしてそこにはどんな命が宿るのだろう。 |
画廊主 梅津宏規 |
「無題」 |
「無題」 可変 発砲バインダー、染料、他 2012年 |
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